歌謡

後輩Y 鎮魂の蛍の光

秋のお彼岸 ふるさとへの道は、思い出を辿る道、
車中の団欒を楽しむ為に高速道をやめて通いなれた普通道を
走ることにした。

うす曇の空は程よい風に煽られて快適なドライブとなった、
田舎の墓地は蜜柑山の狭い道をくねくね曲がってたどり着く、

私の田舎の風習で、春のお彼岸は村全体がお墓参りをするが
秋のお彼岸は何故か閑散として町へ出た人が墓参することは
稀有である。

私達3人は、午後の早い時間に実家及び親戚の墓地へ着いた、
父母、姉、兄、従兄姉妹達が小高い中腹の蜜柑山に囲まれた
墓地で眠っている。

眼下に小部落250軒の集落が折り重なるようにひしめいている、

その前に蒼い海原が西方の大島へと続いている、左手前方を
見ると、私達同級会の名称の元になった、3・3かぶ島会の 
ふたつの かぶ島が陽光の中に輝いていた。

同級生が60歳の厄年を祈念して松ノ木を植えたが小さな島と
潮風の影響で永らえることは出来なかった。

我が母校の沖合に、沖の かぶ 島 陸の かぶ 島と呼ばれて風雪に
耐えている、われら同級生の心のふるさとである。

親戚のお墓をお参りした後、姉の墓の手前の私が空手修行時代に
一緒に下宿で同部屋だった後輩の亡きY君の墓に参った。

190cmは有ろうかと云う長身の男だったが大学を卒業して
就職した会社の接待旅行中に飲酒が元で事故死したのである。

結婚を約束した彼女を連れて東京から帰郷し、私の店を訪ねて
くれた、その嬉しい再会がこの世の別れになったのである。

私は、静かに頭を垂れた・・・
彼との思い出、生きていたら幸せな家庭を築いたであろう好漢
Yの面影を追った。

水差しのシキビが、彼の想いを代弁するようにかすかに揺れた。

彼の墓と周囲のコントラストに、突然浮かんできた歌があった、
スコットランド民謡 ♪ 蛍の光 不思議な感覚に襲われた、
Yが私へ語りかけてくれたような気がした。

「待っていてくれよY !?」 ・・・ 静寂は我が心を震わせる。

♪ 蛍の光

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