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雑談

想い出は  白波の向こうに

何故か私の想い出は高校生時代に向う、それだけインパクトが強かったと
言うことであり、さらに共に一緒だった悪がき達が前後して亡くなった事に
その喪失感ともう一度との願望が有るからである。

従弟E、花の番長H、そして私、次の隣村に行くと仲良しのK、更にI、Y
が待っていた、八幡浜の名坂峠に着くと更に同級生は膨れ上がった。

まず、半数はタバコを吹かしていた、ほとんど園芸課だが、ひとり普通課の
Sがいた、良家の坊ちゃん、人が良いのだが頑固者、帽子はグリスでべたべた
にしていた、このSのタバコは見るからに旨そうで思わず手が出そうになった
が苦労する親の姿を思い出して踏みとどまったものである。

懐かしき名坂、恋に焦がれた名坂、今では新しい高規格道路が開通して通学も
便利になった、
尚、海岸線では向難から楠浜、山手線では大平から須川へと新トンネルが出来て
通学、通勤時間が大幅に短縮された、隔世の感がある。

3年になると、気を使う先輩も居ない、大手を振っての通学は気分が良かった、
愛媛県の南予の高校生たちが八幡浜経由で通学する、その数数え知れない。

多少の摩擦はあったが、Hの存在は素晴らしかった、他校との挨拶は「オッス!」
おとなしい私達もそのお裾分けに預かって、学生気分は気楽なものだった。

故郷3人組から隣村は少々の時間が掛かる・・・
自転車を漕いでの歌謡曲三昧、その中にフランク永井の ♪ 夜霧に消えたチャコが
あった。

チャコを唄う時には、それぞれが想う女性徒を思い浮かべて唄ったものである。

懐かしき哉、我ら高校時代、
Hは、関西で体調を壊して奥さんの杖が頼りで生活していたが消息が途絶えた、
私は、実家の兄さん達と連絡を取り合って、その居所を探している。

従兄弟Eは、先年最愛の妻に先立たれ傷心の身をふるさとに置いている、長男は
JAに務めているが独身の身、縁談に手を差し伸べようと考えている。

隣村のKは、同級生の中で、幸せ一番乗り、悲しい失恋を乗り越えたが最愛の
妻と家族に囲まれて幸せな老後を送っている、私の一番の親友である。

あの日の通学路、思い出の名坂を偲んでフランク永井の歌を聴いている。

西の彼方に大島が見える、宇和海の海は様々な姿を見せていた、その白波は大きく
そして小さく心打つように問いかけていた 「負けるなよ !」

夜霧に消えたチャコ フランク永井
  作詞:宮川哲夫
  作曲:渡久地正信

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