ある年の同級会の話である、
「先輩! Yuさんに逢わせてよ ?」 と後輩がせがんで来た、
Yuとは私の同級生、我々の時代のMaと一緒に番を張った男。
「今度、同級会するから来たらいいよ!」 と私は後輩に伝えた、
この2級下の後輩は3年生になると番長グル-プを形成した男。
「ほんとですか ?」 後輩は踊りあがって喜んだ !
私が3年の時、1年生の彼と一緒に名坂峠を自転車で漕いだ仲、
私の従兄弟は、タバコ店の彼にタバコを持って来させたものだ。
しかし、番長 Ma Yuには口も利けない間柄、それだけに
憧れていたのである、卒業してからも尚 ?
同級会に、その後輩Taと1級下の園芸課の生徒会長を務めた
Kiのふたりを「来ていいよ!」 と招待した。
二人とも遠慮しながらも感激して同級会の輪の中に入って来た、
「無礼講でいいよ ?」 私は彼らに声を掛けた。
Taを、Yuと当時、後輩から一番恐れられ、すぐ鉄拳が飛んだ
空手野郎のKaの居る席へ呼んでやった。
三人は頭を寄せて学生時代の話に花を咲かせた、その様子を見て
私は後輩の生徒会長Kiと別の同級生の輪に合流した。
しばらくして私の席へ戻ったTaは感激の面持ちだったが予期せぬ
動転話が飛び出した、
「先輩、実は先輩のラブ・レター見たんよ? 〇〇(女性徒の名前)
のカバンから抜き取って? すみません!」 思わぬ暴露話だった !
そう言っても十数年前の学生の頃の話、すでに時候になっている、
叶わぬ恋の滝登り、まとまるはずもない! 突然の後輩の告白に
唖然とした。 「おいおい! 何だよ ? もう、いいよ !」
照れを隠して苦笑せざるを得なかった、( おい ! 何てことを・?)
フランク・永井の ♪ ラブ・レターを聴くと、そんな甘酸っぱい
青春を思い出す !
「もてなかったものなぁ~! もう一ぺん 戻れたら今度は・・ ?」
後輩が声を震わせた・・・「先輩、今度は、応援します !・・」
二次会のスナックのママの声が届いた・・・
「Sさん、ラブ・レター いくわよ !」 イントロ-が切ない ?
ラブ・レター(唄)フランク永井 松尾和子
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