広告
歌謡

戸惑い 女の港

イントロが流れてきた

大月みやこ 女の港。

酸いも甘いも噛み分けた 女性が 

マイクを握った。

私は、遠い追憶を辿っていた

「いい歌だ! 上手な娘だ」

思いもかけない 

父の言葉 だった。

大月みやこ 

まだ世間の人に

知られていない 女性歌手。

その歌唱は何かに縋るように

訴えていた。

無口な苦労続きの親父だから

何かを感じたのだろう。

「うまい !」 父と子の 

絆が強くなった きっかけだった。

女性の唄は哀愁を伴って

大広場に 響いた。

彼女には中学校 転校の時

戸惑いの 悲しみが

あった。

私は、父と 戸惑いの彼女の

顔がオ-バ-ラップ して

見えた。

みんなの視線が 潤んだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

広告