幼子が、亡き母が恋しいと泣いていた、
鎮守の森の木陰にその子の姉は途方にくれて。
生活苦に追われた母は薬石効なく二人の娘を
残して旅立った。
竹馬の友が、夫の急死に泣き濡れる夜毎の床を
濡らしていた、
肉親との別れほど辛くて切ないものはない。
三橋美智也の♪ おさげと花と地蔵さんと
何度泣き濡れて聴いたことだろう !
あの時の友の憔悴と、途方にくれる幼子を思い出す。
悲しみは時間が解決すると言うが、当人にとって
そこから抜け出すことは並大抵ではない。
母が欲しい幼子ほど見ていて切ないものはない、
私の姪は、そんな母恋しい幼子だったのである。
三つ子の魂百までも・・・
しかし、大きくなった姪に聞いてみた ?
「お母さん、母ちゃんの思い出は有るかい ?」
悲しい答えが返って来た。
「殆どないけど怖い思い出だけが残っている ?
それを聞いて私は姉ともらい泣きした。
なぜなら、幼子の安否を心配しながらも病に臥す
母は、痛みとの戦いに地獄を見ていたのである。
出る言葉が、楽しいものが出るはずもない !
母と娘 三つで分かれる運命ほど憎いものはない、
吾子を残して旅立つ母ほど未練の残るものもない。
人生とは、何故にもこれでもかと苛め抜く ?
それでも神に縋る人間ほど弱い者もない。
神も仏もないものか !
他人の知らないところで
人知れず 夜空を仰いで
母の名を呼んだ 幼子
私は、その情景に 胸が詰まるのである !
おさげと花と地蔵さんと
小さな田舎の故郷だった、段々畑の山の上、
竹馬の友は歯を食いしばって子供を育て上げた、
やり遂げた。
それは、もうひとつの家族の話・・・
彼女の小学生の時のおさげ髪を思い出す、
よく頑張ったね ! 優等賞をあげるよ
私は今年、予定されている同級会に彼女を
表彰するつもりでいる。
マイクを握って・・・
♪おさげと花と地蔵さんと 眼一杯唄いたい!?
おさげと花と地蔵さんと 三橋美智也
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