痩せほそろえた身体は、まるで子供のようだった、
目の見えない目を、だから大きく見開いて一点を凝視した。
問いかける言葉を理解して動かぬ頭が小刻みに震えた、
「わん! わん!・・・」
弱々しげに泣き声をあげた、
長い痴呆の果て、最後の命が奇跡を産んだ、
神様は、今際の際、
彼女に現実の姿を見せてサヨナラのプレゼントに代えた。
その数十分後、17才と2カ月の命は燃え尽きた。
我が家族に希望と勇気を持たらせたマルは天に召された。
今、彼女は、我が家の一番大切な居間で、
小さな清潔な住まいに納まって家族を見つめ続けている。
「いつまでも、何処までも一緒だよ、 マルちゃん。」
アニー・ローリー
家族との別れ、その悲しみと喪失感は
別れて 尚 強く我が身を責める
後悔、先に立たず
歌は、そんな我が心を揺さぶってならない