夜風が更に身を責める、一月の夜は何故か遠い昔を思い出す、
それにしても寒い、ぶる! 思わず身体が震える、歳のせい
ばかりではないと気がついた。
はるか彼方、遠い故郷の昔に無邪気な子供達が居てね、
都会ずれしていない純真達はその世界が全てだと思っていた。
小豆島の大石先生の「二十四の瞳」が感動を呼んでいた。
大きくなって女先生 壺井栄先生の小説が映画に為った事を
知った。
太平洋戦争の傷跡が小さな田舎の島にも押し寄せていた、
日本人が先人を尊び、挨拶の出来る良き時代だったのである。
あの私達が学んだ海沿いの村は、芋と麦、四つ張り網という
漁法で貧乏の村を支えていた。
つんと鼻に来る郷愁は、夜半の寒気に触れると演歌が聴きたく
なる、窓の外から小さな虫のさえずりが聴こえる、いや錯覚か?
YouTubeを開くと冠二郎の ♪ 酒場 が流れてきた、
この歌は故郷の同級会で竹馬の友 井上のKがスナックの
カウンタ-で 切々と唄っていた、
その後ろ姿がいじらしくて男の哀愁に聞き惚れていた。
何かと苦労の多かったKは、それでも明るく振舞った。
男の胸の内、堪らんね !
奴の女房に聴かせてやりたい、病気に立ち向かうK君への応援歌!
この春に予定される京都の夜、同級会に肩を並べて歌いたい !
どうぞ聴いてやってください !
酒場 冠二郎
♪ どこにもあるような 酒場の片隅で
ひとりで飲む酒に あいつが眼に浮かぶ
薄いしあわせを 酔ってまぎらわす
女の背中の さみしさが
泣いて 泣いてた
・・・ 忘れない ♪
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