悲しい知らせが届いた、
目的地に向って車を走らせる私に友から竹馬の友の死が知らされた。
がんセンタで手術をして退院の前日直接電話を掛けて来た友だった。
「一旦退院するが又帰って来るよ !」
共に竹組み更に遠縁に当るKは何かと優しいまなざしを向けてくれる体育に秀でた少年だった、弱い私を助けてくれた。
故郷で療養する彼を見舞うつもりだったが、地元の病院に通っている、元気そうだとの他の友から聞かされて、安堵していたところだった。
その噂からすると病状が急変したのだろう、午後1時から葬儀告別式が執り行われ松山在住のSと彼の車で帰ることになった。
数年前の同級会、その二次会のスナックのカウンタ-で肩をすぼめて唄うKの姿があった、今その面影を偲んで心を鎮めている。
兄との事業の失敗で人生の後半は苦労したと聞く、胸に収めて大事にしまっているが、私にも人に言えない弱みを見せて来た事がある ?
村田英雄の ♪ なみだ坂
恥ずかしながら私はこの歌を知らなかった、マイクを握って唄う彼の後ろ姿は、何ともいえない男の哀愁が漂っていた、「Kよ !」
苦労掛けた恋女房の事を思って唄っているのだろう、私は黙って彼の後ろ姿を眺めていた、それからである、このなみだ坂が私の愛唱歌になったのは !
今年同級会を秋の滋賀県で計画することになった、関西方面の友の計らいである、しかし、そこにはもう彼Kの出席する姿は見られない。
彼の死で欠席を匂わす友もいると聞くが、叱ってでも連れて行きたいと思っている、
「それでK君が喜ぶと思っているのか、出席することが彼Kへの供養になるのではないのか ?」
私にとって辛いカラオケになるが、
彼が女房と2人三脚で苦労して、その人生をしみじみ唄った ♪ なみだ坂 私は滋賀の同級会の舞台上で唄う ! K君を偲びながら。
涙でくもる なみだ坂 K よ !
なみだ坂 村田英雄
作詞:松本礼児
作曲:賀川幸生
♪ 人の世の哀しみに 負けて生きるより
力合わせてふたりで 歩いていかないか
細いうなじの ほつれ毛さえも
胸を締め付ける
辛い過去なら 誰でも有るさ
泣くがいい 泣くがいい
涙が涸れるまで ♪
合掌
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