男同士の昔談義、
二十歳を出たばかりの大政小政は
ボロアパ-トに居座って胡座をかいた。
その町、特に夜の裏町を徘徊して獲物を
漁った。
歴史の一ペ-ジを蜜柑と魚に重ねて
カレンダ-を朱に染めた。
小政のパチンコ大当たりと大政のパンチ
大当たり、男達は顔をしかめて涙した。
夜の裏通り、下道界隈は女の嬌声と男の
野獣の雄叫びで賑わった。
彩りを鮮やかに染めて行った。
昭和が辛うじて息をつき、大和なでしこが
静かに歴史の幕を下ろそうとしていた。
港町の飲み屋街、魚の匂いとみかんの色づき、
青春は一瞬の輝きを放って闇に消えた。
男二人の港町ブル-スは終焉を見た、
彼らはボストンバックひとつ下げて東を
めざした。
胸に残る裏町酒場 女達が泣いた下道界隈。
裏町酒場の女唄、胸を震わせて闇に消えた。
裏町酒場
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