私に孤高の同級生がいる、
厳格な教育者の父親と慎ましやかな母親の
次男坊に生まれ、生真面目を絵に書いた男
として成長した。
高校は松山まで汽車通学、卒業後は地元の
優良企業に就職してその後婿養子となった。
資産家で現在は息子に家業を譲り糟糠の妻と
悠々自適、静かな余生を送っている。
「浜千鳥」
学校で、社会に出てからもこの浜千鳥が彼の
愛唱歌、文部省推薦の歌唱法は彼のお家芸で
ある。
寄せ来る波 !
漁業と芋麦で大きくなった我が故郷、その
沖合には2つの小さな岩礁、同級会名の由来と
なった「かぶ島」が荒波に翻弄されている。
そのずっと沖合に大きな「大島」の遠影が私達
を勇気づけている、都会へ出た島民が悲しみに
うちしおれる時、思い出すいとしの故郷である。
子供時代の通学路、曲がりくねった道を、潮騒に
乗ってカモメが飛んでいた、
静かに聞こえる女先生ののびやかなオルガンの調
べが子供達の未来を祝福していた、しかし現実は
瀬戸内海の「二十四の瞳」が復習されていた。
浜千鳥、私にとって母を姉たちを偲ぶ歌でもある、
沖に群れる浜千鳥、
「僕は負けずに頑張ったよ !」
♪ 青い月夜の 浜辺には
親を探して 鳴く鳥が
・・・
スチールギター 浜千鳥