中島美嘉の 「雪の華」 を聴くと
裏町の並木通りを歩くふたりの男女を
思い出す。
父の家業の失敗で故郷を後にする乙女
と 夜間高校の苦学生
悲しみの別れが迫っていた。
「どうしても行くの ?」
男の問いに
乙女の口から嗚咽が洩れた。
それからしばらくして
田舎の小さな駅から
名古屋へ向う乙女の姿があった。
木枯らしの舞う12月も終り
帰省客で賑わう駅舎の陰で
流れる涙を拭おうともせぬ男がいた。
線路の上に 雪の華がさびしく舞った。
さよならは 永久の別れに
ふたりの再会は 叶わなかった
都会の片隅で 22才は若すぎた。
雪の花 いとしい・・・