休みを利用して墓参りに帰った、
季節外れの故郷の墓地は
みな殆ど枯葉で雑然としていた。
寂しげな風景は
寂れた村を開拓したご先祖様の
先人の想いが見えるようである。
柔らかな日差しの帰り道は
村人の聖地 源蔵前の浜辺を通る。
ここは、小さな船を操って
アメリカ大陸を目指した男達の
旅立ちの地。
帰らざる浜辺、命を賭けた男達の
希望と未練の裏表
覚悟と別れの、男達の心の源蔵前。
その石碑の前の、額ほどの砂浜
大島を背に、さざ波が先人を偲ぶ
小学生の頃、女先生のオルガンで
みんなで合唱した、童謡・唱歌
♪ 浜辺の歌
沖合いに、カモメが1羽飛んでいた。