北島三郎 さぶちゃんのデビュ-曲は、
「ブンガチャ節」作詞・星野哲郎、作曲・船村徹だが、
この第一弾は不発に終わった。
歌詞の中の擬音の合いの手が卑猥だからだと言う説がある。
そこで、代わりに急遽発売となったセカンド・シングルの
「なみだ船」がヒットして、出世作となり以降はご覧の通り
スタ-街道を驀進して現在は押しも押されもせぬ大御所である。
私など、このブンガチャ節を直接耳にしていたが何の違和感も
なかったので発売中止が腑に落ちなかった。
そんな若い頃にサブちゃんの♪ 喧嘩辰が出た、多くのファンは
そのまま見過ごしたようだが、私には、その時代の境遇と重なって
弧線に触れた、グッと来たという奴である。
昭和が輝いて若者達が都会に憧れた時代、
東京へ発った青春の群像が、夢破れ 都会を離れ 人生を彷徨した、
夢をふるさとに求めて、その願いを田舎の灯りに埋没させた青春。
粋がった喧嘩辰たちは、純情の枠に身を震わせた、
告白できぬ、意気に、自棄酒を煽った、こんちくしょうめ !?
女は待った、男に勇気がなかった、別れはそこに来ていた、
路地裏でもつれる男達がいた、女の前に粋の仇花が咲いた ?
・・・・・
折に触れ車を運転している時に、今でも不思議に口に出る、
歌詞の内容と脳裏に浮かぶ情景が自分の歩んだ道とダブって
郷愁をそそるのである。
♪ 喧嘩辰
作詞 有近 朱実
作曲 関野 幾生
歌手 北島 三郎
♪ 恋とゆう奴あどえらい奴だ
俺を手玉に とりやがる
惚れてなるかと力んじゃみたが
泣かぬつもりを泣かされて
たまらなくなる俺なのさ
♪ 喧嘩辰 北島三郎
挫折の繰り返しの頃、次の歌が心に引っかかった、
♪ 終着駅は始発駅
作詞 佐東 たどる
補作詞 星野哲郎
作曲 中村 千里
歌手 北島 三郎
♪ 背中を合わせて あばよと言えば
おまえの震えが 伝わるぜ
死ぬほど惚れて 死ぬほど泣いた
涙は頬を ぬらしても
終着駅は 始発駅
♪ 終着駅は始発駅 ♪原曲 北島三郎
歌は世につれ世は歌につれ
歌謡曲は男の魂を揺さぶって 人生を彷徨う、そして
終着駅に向かう・・・
日本の男から演歌を取ると、無国籍野郎になって自分を失う。
熱燗を傾けながら唸ってみますか、土演歌を !?
私は三郎節ですが・・・ あなたは果たして何節 ?