今日も暑い日になりそうだ我が家のリビングはエアコンが
効いて裸にいると寒いぐらいだ。
やけにエアコンの音がうるさい、ガラス戸が開いて網戸に
為っている、ああ! 電気代が高くつく、小さな後悔 ?
冷凍庫にキャンディが入っている、今年初めて食べてみた、
子供の頃の思い出が蘇えってきた。
私の田舎は250軒の小部落、海と山に囲まれた半農反魚
の村、
今頃は友達と前のズラシ(コンクリ-トの坂道) を降りて
海に入りハシャイでいるはずだ、少し沖に出ると海へびが
身をくねらせて泳いでいた、かまれた経験はなかったが ?
もし噛まれていたなら大事になっていた筈である、
クラゲに刺されるのは日常茶飯事、「痛い!痛い!」と
子供の内誰かは泣いていた、しかしそれで海水浴を止めた
子供はいない。
少年の日 子供達の夏休み、肌が焼けるような陽射しは
海に入ることで癒していた子供達、平和を満喫していた
故郷である。
その少年の日に、忘れられない先輩Tちゃんがいた、
強い兄ちゃんだが家には怖い鬼の父親がいた、ヤギのえさ
草刈が日課の可哀想な子供だった、お供するのが少年の僕。
Tちゃんはオイラの兄貴分、男の遊びも、大人の怖さも
教えてくれた先生・師匠 !
大人になって大工さんになった、そして綺麗なお嫁さんを
貰って4人の子供のお父さんになった。
私が居酒屋を経営してその忙しい日々、忘れた頃にやって
来て嬉しそうに声をかけてくれた、 別れは年の暮れ !
いつも庇ってくれたお母さんのお墓の前でTちゃんの命は
終わった、優しいお嫁さんと可愛い子供達を残してお母さん
の元へ旅立ったのである。
今年もお盆が来ました、故郷の花火大会の賑わいの中で
Tちゃんの子供達の姿は在るでしょうか、長女は花火を
打ち上げる港の傍のお店屋さんの女将さんになっている。
長男は生まれた田舎で、亡き義父が始めた居酒屋の主人に
なって鉢巻姿で頑張っている。
私が大人になってお金の有りがた味が分かるようになって
心に引っかかることがあった・・・
まだ家一軒請け負うことの出来なかった貧乏大工のTちゃんは
子供4人を育てながら経済的に苦しかったのではなかったか?
ある時、店に来て「悪いけど置いといて(つけにしといて?)」
と淋しそうに言って店を出たことがあった、
それから間もなくの年の暮れ、Tちゃんは亡くなるのである!
「お金を貸して !」 と頼みたいことも有ったのではないか?
それらの事を振り返ると、尚更兄貴分が可哀想でならなかった、
( 気がつかなくてごめんよ? Tちゃん!) 後悔は消えない。
悪童に強くて弱者を助けた兄貴分は、弱い者にけして無理を
云わなかった、その心の内を思うと自然に涙がこぼれる。
遠い日の わらべ歌 大島の向こうに太陽が沈む、辺りが
暗くなって草を刈るカマの手が止った。
「Yやん、もう帰ろうか!」Tちゃんの顔がにっこり笑った !?
「ふるさとの話をしよう」 Tちゃんはオイラの兄貴分、
遊びの先生 !?
♪ ふるさとのはなしをしよう 北原 謙二 本人歌唱
作詞 伊野上のぼる
作曲 キダ・タロー
唄 北原謙二
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