「スダレが落ちているよ !」
我が家の一階リビングの西側に一軒幅のスダレが二枚ガラス窓の
外に吊り下げられている、その内の南側の分が2m下の水路側に
落ちていた。
(あれっ!台風25号もそれ程酷くなかったのに何時風が吹いた
のだろう !) 小雨の中、裏に回って確認した、一部欠損していた。
補強して掛け直すか又は新しいのにし直すか、雨が止んでから
決めようと思う。
( 雨か ・・!) 私はもうスダレの事は忘れて別の事を考えていた。
雨には、いろんな思い出がある、
苛めに泣いた少年期、小部屋の裏の軒下に落ちる雨だれが孤独を
暖かく包んでくれた。
遠くに消えた初恋、窓ガラス越しに浮かぶ我が顔が霧雨に泣いていた。
単車での仕事帰り、突然の雨に立ち寄る店先で暖を取ってくれた娘
の笑顔が慈母観音。
肉親との別れに降る雨は、行く人の生き様を模して、しの降る雨か
雷鳴轟く嘆き雨。
「 雨よ! お前は何故に心を乱す、そして暖かく包んでくれる、雨よ !」
演歌には降る雨が似合う、人を泣かせて喜ばせる、雨よ 雨・・・!
三善英史 雨
何が 言いたい そぼ降る雨よ !?