市川染五郎の!蝉しぐれを偶然見る事になった、何回見た事だろう !
男女の綾を知り、その情愛を理解する歳になったことも有って前よりもしみじみ画面を追った、
文四郎とふくの、数奇な運命、手の届かない世界へ嫁いだお福と父を無残に死なせた文四郎の切なくも儚い純愛は、見る者の心を震わせて止まない。
主役に期待しながら脇役に目が行く映画大好き人間、それが私である、木村佳乃のお福様がまた素晴らしい !
2人の最後の逢瀬の場面で吐き出す言葉が切なくて泣かせる、「文四郎さんのお子が私の子で、私の子が文四郎さんのお子という道はなかったのでしょうか ?」
お福様の問いに答える文四郎の言葉が男達の心を揺さぶる、
「それが出来なかったことを、それがし生涯の悔いとしております!」
人前では言えないが私の涙腺は過去に飛んだ、我が身の悔いにその痛みが刻まれているからである。
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東宝映画 蝉しぐれ
原作: 藤沢 周平
監督・脚本: 黒土 三男
主演: 市川 染五郎 木村 佳乃