旅先で悲しい女の話を聞いた、
将来を誓った恋人が交通事故で短い命を散らした。
残された彼女に身内は居ない、
幼くして両親を亡く苦労の末掴みかけた幸せだった。
慟哭は昼夜違わず続いた、
食べ物も喉を通らず、泣き明かした心はズタズタに
引き裂かれた。
周囲の優しさをも彼女の痛んだ心を元に戻す事は叶わ
なかった、虚ろな心に響くつのだひろの歌が更に
彼女の頬に涙を流させた。
切ない恋の結末は、掛ける言葉さえ奪い去った、
その年の暮れ、不幸続きの女はワンフロアーの椅子に
もたれて、終止符をうったのである。
私は昔、切なくも愛しい物語に直面したことがある、
男女の関係が逆の物語、乙女が愛する男を残して死んだ。
慟哭に男女の差はない、
天国でしか結ばれることが出来ない 「 恋 」
メリージェーンの歌が
つのだひろの哀愁が、寒空に流れて消えた・・・
つのだひろ ♪ メリージェーン