その人の死を嘆くように冷たい雨がウインドガラスを叩く、
出勤ラッシュが終わったその時間は車の通りも少なくなり
雨雲が低く垂れ下がっていた。
葬祭場は身内と親しい人々だけで去りゆく人を見送っていた、
私は、ほんの手違いで10分程遅れて参列した、後ろの席に友と
彼の長男が肩を並べて座っていた。
友は私の予期せぬ参列を見ていささか驚いたようである 、
( Sさんが何故 ? )
どの葬儀告別式でもそうだが再び会えぬ旅立ち程切ないことは
ない。
住職の読経が荘厳に響いてくる !
その時、何とも言えない心に沁みる音楽が聞こえて来た、
それは物悲しく曲だけ見覚えのある曲なのに題名が出てこない、
そのうち女性歌手の唄が流れ出した。 「ああ! そうだ !」
♪ ユー・レイズ・ミー・アップ
2002年 アイルランド&ノルウェーの二人組、シークレット・
ガーデンが発表した楽曲、
以降多くのミュージシャンによってカバ ーされて歌われている。
私がよく聴くのは、アイルランド出身の女性歌手で構成される
5人組の音楽グループ、ケルティック・ウーマンの曲。
この歌は、Celtec Womanの澄み渡る歌声、私はその時おかれた
状況でよく耳を済ませて聴いている。
肉親との別れ、男女の別離に、物悲しく胸を締め付けられる、
韓流ドラマーの挿入歌になったとも聴くが私は知らない。
歌は万国共通です
言葉が通じなくてもメロディ-が感性に訴える
嬉しい時 悲しいとき やけになりそうな時
人は 心に救いが芽生える