助からない命、不治の病で入院していた女は病院を抜け出て
イタリアへ向かった、それは自分の死を悟った為だった。
彼女はそこで、ひとりのエンジニアと知り有った、彼女の友達
から難病の事を知らされたエンジニアは、全霊を傾けて彼女を
愛する・・・イタリアの美しい風景が織りなすメロドラマ。
フェイ・ダナウェイとマルチェロ・マストロヤンニ主演映画を
私は田舎の小さな洋画専門館で観た。
それまでほとんど男性映画しか見なかった男が何故? 見る気に
なったのか、今振り返っても不思議でならない、ヒントは一つ
恋の痛手に心痛めていた時期だった。
若さゆえの過ち、奢り心の油断、今言えることは女心を理解出来
なかった無粋ゆえ! それに尽きると思う。
殺風景な町の夕暮れのつむじ風が肩を落とす男の背中を叩いた !
フェイ・ダナウェイの涙に、去りゆく女の乙女心が重なった。
「ゴメンよ! ごめん!」
未練ではないがケジメを付けるために有る記念品を作って残した、
数十年経った今、色褪せることなく仕事場の棚の一番上にそっと
置かれている。
「恋人たちの場所」
あの日の情景がモノクロ・セピア色に霞んで見え隠れした。
恋人たちの場所 (1968)
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