派手やかな歌手の世界だが、どちらかといえば地味な三島敏夫に
私は注目した。
味のある歌声は私の性格にマッチして陰ながら声援を送った。
当時の男女の関係は現代と違って奥ゆかしいものだった、
日本人の特性、控えめな恋愛、実際の当事者は何時の時代も
燃え上がるものではあるが、外観的には質素なものであった。
面影 過ぎ去りし追慕の人は、より以上美しいものに見えて孤独な
心をときめかせて泣かせた。
三島 敏夫 ハワイアン歌手、演歌歌手。
特攻隊員に選ばれたが出撃直前に終戦となり一命を取り留めた。
昭和30年代の始め、バッキー白片とアロハハワイアンズ、
和田弘とマヒナスターズでボーカルを務めた、
ソロで ♪面影、♪まつの木小唄、♪人妻椿などをヒットさせた。
ゴールデンヒット賞を受賞。
2014年8月17日、食事中喉を詰まらせて京都府内の病院で死去。
享年87歳。
♪面影
作詞:水島 哲
作曲:狛林正一
歌手 : 三島敏夫
♪北国の 春浅い川岸
涙をこらえ ちぎれた雲を
じっと見ていた あの娘よ
おくれ毛が おくれ毛が 風に吹かれ
白いうなじが ふるえてた
♪ 面影 三島敏夫
数年前に妻子を残して亡くなった後輩が
東京時代にこのハワイアンバンドの方々と交友関係にあった。
その折々 東京を懐かしんでバンド仲間の話をしてくれた、
その後輩の目は、遥か東京の友をその面影を偲んで潤んでいた。
黄泉の国で仲間達とバンドを組んで演奏していることだろう。
合掌。