「山の草がいっぱい生えて困っているから草刈手伝って ?」
家人の声が早朝響いた・・・
悪いなと思いながら適当な理由を告げて「夕方に行くよ!」と答えた、
犬の散歩が終わったばかりだった。
その散歩の途中、昨日のAさんの地鎮祭に参加できなかった失礼を
電話で詫びた、「天気もよく滞りなく出来ました」軽やかな声だった、
広い土地でマンションを建築するAさんの声は喜びで弾んでいた。
親しい土地家屋調査士のB先生と参加する予定だったが、B先生の
山陰への出張と私の突然の用事の為、参加出来なかったのである。
草刈を断った理由は、今日の午後1時から執り行われるN君(N先生)
の葬儀告別式を我が家の仏間で過ごしたいと考えていたからである。
改めて週明けご自宅へC先生同行の元お悔やみに伺う予定である。
妻とふたりの子供の父親になったN君だったが、その前に想いの深い
母の存在が在った、いろんな人生の辛酸を歩まれた母御であることを
彼から聞かされていた。
親より先に行く息子の不憫を、その母はどんな思いで見送るのであろうか、
我が母の思い出を紐解きながら、和歌山県新宮市〇〇寺での葬儀告別式に
想いを馳せている。
幼い頃のN君に母と手をつないで歩いた記憶はあっただろうか、酒に弱
かった父の傍で涙を流した母の姿を彼はどんな思いで見詰めたであろうか、
その語ってくれたひとつひとつが胸を締め付ける。
和歌山県は、私と青春を過ごした後輩が長年の勤めを終えて余生を送る土地、
爽やかな青空が顔を見せている、読経の中手向けるご焼香の煙がゆるやかに
天に向かう、N君の行くところ天国が彼の救いの場所であることを祈ります。
母と子 もうひとつの 父と子
かあさんの歌が聴こえてくる、
愛別離苦
謹んでお悔やみ申し上げます。
かあさんの歌
作詞:窪田 聡
作曲:窪田 聡
かあさんの歌(歌詞付) Song of the mother