神社境内は正月の準備で多忙を極めていたが、
ようやく静けさを取り戻した境内は、木枯らしが樹木
の枝をきしませて泣いていた。
結婚を半月程後に控えている旧家の娘Aと男性Bは
その境内に足を踏み入れた。
彼女の幼馴染Cの想いを伝える為にBを呼び出した
AだったがBの意向で神社の石段を登ったのである。
一時先の騒音が嘘のように風の音以外神社は静まり
かえっていた。
一通り彼女の話を聞いたBは想いも寄らぬ告白に至った。
「ぼくの気持ちはずっと前からAちゃんが好きでした、
貴女が結婚すると聞いて苦しんでいます!」
その告白の時間はふたりの間で人生の針が180度回転
して、苦渋の時が流れたのである。
まさに伊勢正三の22歳の別れがふたりの間で逆巻いた!
だが彼女は予定通り婚約者の待つ東京へ旅立った。
境内の石灯篭を背に、ただ一度だけの口づけを交わして
ふたりの結ばれぬ愛は終わった。
正やんの ♪ 22歳の別れ を聴く度に、
あの木枯らしの 寒い境内がオーバーラップする。
ほっぺ を赤くして身を震わせた女の余韻だけがBの胸の
秘密を叩く、「遠い昔の事だよな ァ !」
私がBから打ち明けられた実話である。
22歳の別れ
作曲:伊勢正三
作詞:伊勢正三
♪ あなたに「さようなら」って言えるのは
きょうだけ
明日になって またあなたの
暖かい手に触れたら
きっと言えなくなってしまう
・・・・・
伊勢 正三
日本のシンガーソングライター、あだ名は正やん、
かぐや姫、風のメンバー、大分県津久見市出身、
大分県立大分舞鶴高等学校卒。
それにしても正やん
良い歌作ったね !
青春の金字塔ですよ。
先輩 南こうせつ 山田パンダ とのかぐや姫
「神田川」 は歴史に残る純愛の名曲だと思います。
伊勢の代表曲、
伊勢 正三「22歳の別れ」
イルカ 「なごり雪」
彼等の歌がこのように歌い継がれると日本の未来も
捨てたものではない、人情の廃れた時代だからこそ。
こうせつ 正やんの 生まれた土地の近くに 私の
竹馬の友は終の棲家を構えている。
九州は 大分県
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