子供達のために我が身を粉にした女性だった。
真言宗別格本山 金山出石寺 の中腹の村に
その人の母の故郷は在った。
大勢の兄弟姉妹、昔の事だから生活はけして
楽ではなかったが家族で助け合って
戦後の混乱を乗り越えてきた。
人の縁は不思議な巡り会わせで
人を引き合わせる。
母もそしてその人も酒の好きな人と縁が有った。
この選別が女性にとっては曲がり角になる、
酒に負ける人 と 酒を負かす人、
おとなしい女性ほど 酒に負ける男に縁がある。
子育ての陰で 家の角で 人知れず涙を拭いた、
昭和に生きた 日本の女たち、
切なくて愛しい女性達、かける言葉は何だろう。
歌を忘れたカナリア 歳を重ねて気が付いた、
唄うことを 忘れていたことに、
季節の中で、忘れた筈の歌が 話題にのぼった。
口ずさむ歌声は 哀愁を帯びて震えていた、
悲しみは後回し、カナリアは カナリアなのだよ。
鳥羽一郎の ♪ 母のいない故郷 が 好きだと云う、
鳥羽の目に涙が滲む 彼も母の子だもの !?