私と同じ癌の手術をした人が定期検査が怖いと言う、 私は無理がないと思った。 あの時の私は悪い予感を覚悟という文字で封印した。
私は岐路に立たされると開き直る癖がある !
良い結果と悪い結果を想定する、どちらに転んでも
困らないように対処方法を考えて覚悟を固める。
男の覚悟と言う縛りで自分を鼓舞する。
人生最悪の時が診察を受けた病院の院長と手術を
受ける病院の執刀医からガン宣告を聞かされた時
だった。
普通の人は、突然のアクシデントにあうと頭の血が
すっと下がるという !
が… ?
私は逆に頭に血が昇った !
入院患者は私ひとり、個人病院の夜は寂しかった、
庭の木に降る雨は、心の隙間に悪魔が忍び寄る !
ラジカセボタンに手を伸ばしイヤホンを耳に当てる、
長渕剛 シャボン玉
歌詞もさることながら、バックのドラムが男の心を
突き動かす、
ズンズン ! ズンズン !!
「負けるな !」
泣きたい心細さ、じゃあ! うんと泣けばいい、
目が醒めると窓の外の枝に朝陽が射し込んでいるよ !
大丈夫だって、病院のスタッフに任せなって !
鳴いたカラスが …..
( 今泣いたカラスがもう笑う )