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思い出, 歌謡

こどもの日の  雪景色

年に一度あるかないか

雪の降り積もる日

子供たちの歓声が上がった。

「ワァイ!  雄叫びをあげて

子供たちは表に飛び出した

早速雪を丸めて雪投げだよ。

その内

一番年上が山へと歩き始めた。

辺りはその冬一番の積雪

驚くほどの雪が積もっていた。

海岸通りの未舗装の道に

海からの白波が打ち寄せる

子供たちの目指すのは傾斜地。

お宮さんを通り過ぎて

更に段畑の続く山に向かった

雪は更に厚みを増してはばむ。

ひとりでは引き返せない程の

山に分入っていた

その内小さい子がベソをかいた。

手が痛い足の先が冷たいと泣く

次第に動きが緩慢になった

上級生の兄ちゃんの判断が出る。

「みんな、ここまでだよ!」

先輩は、小さな子の手を引いて

元来た道を慎重に降りて行った。

雪の怖さ、

それは想像もできない大自然の

恐ろしさ

巨大さを子供に教える授業だった。

雪の日の小さな強行軍は男として

日本人はどうあるべきかを教えた。

あの日の雪中行軍は

大人になっても郷愁を伴って蘇る。

上級生が身をもって下級生を導く

そんな良き伝統が残る故郷は宝物。

山はその雪景色は暖かい灯火として

いつまでも我が心に記憶されている。

中島美嘉      雪の華

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