様々な想いを載せて空一面に雨雲が覆いかぶさる。
河川が氾濫して田畑が水没する、道路が決壊して 家屋敷が壊される。
日本の四季は、美しい自然を見せながら鬼の形相を 覗かせる、
哀しみに打ち萎れる民の嘆きは止まない。
電話が東京と故郷を結ぶ、あの笑顔を見せた乙女は 故郷の父母の眠る墓に静かに眠っている。
無邪気な女性だった、男女ふたりずつ、無心に写る 笑顔が素晴らしい、昭和が希望に輝いていた。
東京オリンピック、日本が、東京が沸いていた、 時を経て令和の御世、乙女は大阪に次男を残して 生まれた地に没した。
「Sさん !・・・」 屈託の無い笑い声と笑顔だった、 兄と幼な友達、そして橋渡しの私がここにいる。
「今年のお盆は墓参りに帰るから・・・」 私の電話に 素朴な兄は言葉を詰まらせた。
山里のトンネルを出た所に彼女の眠る村がある、
香西かおり 雨酒場 を聴くと あの恵もいえぬ笑顔を思い出す。
玖美ちゃん 心の綺麗なひと (女性) だった、 私の同級生の妹、兄を案じた人でもあった。