私は、喜劇役者や落語家、漫才師に心が向くのは彼等の
心底に流れる情愛を見るからである。
先般は明石家さんまちゃんを取り上げた、毒舌更に罵声
を吐くその裏を覗くと相手に対するいたわりの情がある。
ライトを浴びるまでの貧乏、苦闘時代に、彼等の精神を
洗い清める人の情と教えがあったのだろうと想像する。
今日は厳粛な手続きを進める日、Sさんに時間と場所を
お任せします、いじらしいメ-ルが昨夜届いた。
彼の実家の家族の心のこもった「サバ寿司」を頂いた、
「サバ寿司、召し上がれますか?」彼のお母さんからの
電話が発端で頂くことになったのである。
午後混んだ予定の合間を縫ってあるカフェで落ち合う事に
なった。
彼の両親は、夫婦仲の良い夫婦、父親は人に秀でた武道家、
私が見てきた中で、相対すると命を賭す程の気合を見せた、
命を掛けた勝負ならとことん行くと思わせる勝負師だった。
だが今は、人格者にして家族大切人間、暖かい素晴らしい
男に昇華した、その横には常に男を引き立てる女房が居た。
私の切っても切れない刎頚の友、次男坊の結婚を託されて
いる、
彼のお相手に私が尊敬してやまないある業界の先生のご息女
を推薦しているのである。
彼を表すと
まず、レディーファーストにして茫洋たる包容力の男、
将来一家を成す経営者になる男、初めからホワイトカラ-を
求めず10年間の下済みの生活をやり遂げた進取の気質の男、
日本人男性には珍しいグロ-バルな男といえよう。
私にも姉がいて嫁ぐ日の父親の姿が目に焼きついている、
嫁がせる側の父親の胸の内も理解するところである。
その先生の想いを静かに偲んで見る、私へ向けられる言葉の
ひとつひとつに娘を見送る父親の心情が痛いほど表れている。
大阪芸人に芦屋雁之助さんという芸達者が居た、
喜劇のみならず画家の山下清 画伯を演じた裸の大将で馴染み
の役者さん、説明するまでもなく歴史に名を残した名人だった。
その雁之助さんがしみじみ唄った歌
♪ 娘よ
歌手:芦屋雁之助
作詞:鳥井実
作曲:松浦孝之
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