役所、クライアント、必要な打ち合わせが終わって、
蝉が賑やかに奏でる公園に足を運んだ。
入り口に差し掛かると数十羽の赤とんぼが私の車を
取り囲んだ、周りを優雅に舞ってのお出迎えである。
今年もお盆がそこに来た、故郷での旧友達との再会が
近寄っている、
「貴様と俺!」
懐かしい野郎達が二十代の青春に返って杯を交わす。
zが wが、岬を回ってkが、満面の笑顔で昔に戻る !
「sさん、すっかり歳取ったね !」
自分達の顔の事はそっちのけに言いたいことを言う。
それを人は無礼講と云う ?
居酒屋y君の店にボトルを入れに行く、我が愛しき
後輩達へ花火大会の打ち上げにプレゼントをするため。
お盆は男達ばかりではない、その彼らを男にしてくれた、
心やさしき女性軍のために、真心を一緒に届ける。
公園の佇まいに過去が顔を出す、
「いろいろあったなぁ !」
想い出の向こうに、 現実とファンタジーを混ぜ合わせる
ように、涙と笑顔が交互に映し出された。
台風の影響で暑さを薄めた風が吹いて来たような錯覚を
覚えた。
「暴れるな ! これ以上日本を痛めるな !」
樹木の上に一休みの二羽のカラスが、
私の思いに共鳴するように甲高く鳴いた !
歌は ?
あなたには、どんな歌が聴こえますか ?
私は今宵は、大川栄策 さざんかの宿 を聴いています、
大川栄策の人妻を想って咽び泣くビブラ-ト、ギタ-演奏の哀愁のさざんかの宿を聴いています。
悲しい酒 が聴こえてきました、ひばりの頬を伝う涙に重なるもうひとつの涙 ・・・ 男って奴は ?
波止場に流れた女の涙 ! みなさんも想い出ありませんか !?