木枯らしの舞う凍てつく冬が其処に来て
街には無常の雪が舞っていた
私電の高架の上に彼は通りかかった。
アスファルトの路面は既に白一色
ハンドルを握る手が寒さにかじかんだ
彼は自動車でなく自転車に乗っていた。
その頃、テレビから流れてくる歌に
彼の心は締め付けられた
余りにわが身と重なっていたのである。
♪ 灯りが欲しい 五木ひろし
作曲家遠藤実の若かりし頃の 辛い想いが
彼と二重写し
藤田まさとの詞が男の こころ を震わせた。
人生は流れて
男にもやっと安楽の日々が 訪れていた。
ューチューブから切々と唄う五木ひろし
彼はあの雪舞う街を 思い出していた。
灯りが欲しい 明かりがほしい !
9月の同級会に
灯りが欲しいを唄う男が いるはずである。
松山市道後ホテル〇〇館
雪舞うのはもう 少し先になる
演歌は 遠藤演歌は男達の心を泣かせる。