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歌謡

もうひとつのやどり木 みずき舞

うす曇の山間の町は底冷えのする寒さに震えていた。
中心街から南へ橋を渡り少し登った先に目当てのお寺は在った。

途中の角々には道案内の人たちが親切に参拝客を誘導していた、
私の車は河原の臨時駐車場へ乗り入れた、数十台の自家用車が
整然と並んで駐車されていた。

受付を済ませて境内に上がると数人の村人達が笑顔で迎えてくれた、
お堂に向かう、
入り口あたりで溢れた人々がお堂の中の講話を熱心に聴いていた。

本堂は溢れるばかりの信者さんで埋まっていた、住職のお母さんが
奈良の本山の高僧を前に、昔の思い出話を開陳されていた、
その横で若住職は神妙に耳を傾けていた、N子先生のご主人である。

楽しくも夢溢れる講話だったその後を本山の住職さんが引き継がれた。
人の縁の不思議なところがここから、私と共に二人を引き合わせた
Aさんのご息女が本山住職の子息(僧侶) に嫁がれたのである。

後からAさんの傍に行ってくわしく事情を伺った、誠におめでたい
ご縁である。

N子先生、現在は住職夫人、参拝客のおもてなしでかいがいしく動き
回っていた、幸せ感満杯 ! 実家の親戚皆様そろって参拝されていた、
お父様のN子先生を見つめる眼差しが優しかった。

モチまきを控えていたが所用のため先に辞退して山を下りることにした。

住職夫人も板に付いて地元の皆さんに溶け込み、町の一員になっていた、
彼女の初々しさを拝見すると、プロレスラ-を引退した小橋建太と結婚
してこの度長女を出産した歌手のみずき舞の歌を思い出した、堀越学園
卒業の演歌歌手、プロレス界で活躍した元プロレスラ-夫人でもある。

N子先生とみずき舞、ご主人に仕える良妻賢母ぶりが重なって見えた。

♪ やどり木 みずき舞

  歌手 みずき舞
  作詞 坂口照幸
  作曲 大地 良

おれの苗字と おまえの名前
 据(す)わりがいいねと あなたが(微笑)う
  しあわせに なりたいな このひとと
    ・・・  ・・・

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