もう随分昔になったが、
日本にアメリカンデモクラシー、アメリカン・ドリームが燦然と輝いて、敗戦の痛手、憎しみというよりも憧憬に近い羨望の眼差しで眺めた、そのアメリカから若いニュースターが羽田空港に降り立った。
一世を風靡することになるポール・アンカーだった、 小柄だが声量の凄い歌手! 日本女性が歓喜の拍手を送った、彼の歌は瞬く間に日本国中に流れる、空前の大ヒットになった。
ある年の三年生を送る送別会に (謝恩会) 普通課のもて男のイケメンが舞台に勇躍飛び上がった、現代と違って楽器の伴奏のないアカペラである彼の口から飛び出たのがポ-ル・アンカ-の ♪ ダイアナだった。
講堂全体が感動に震え上がった、それをきっかけに一二年生の自慢の男女が歌と踊りを披露する、卒業真近の三年生は後ろ髪引かれて舞台に釘付けになった。
ダイアナの君は40代の若さで旅立ってしまったのである、あの時の彼には好きな女学生がいた、彼女のその後の消息は知らない。
♪ ダイアナ 18才の彼の胸の内、ポ-ルの歌を聴く度に思いだす。
♪ ダイアナ
♪ 君はわが運命 (You Are My Destiny)