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思い出, 歌謡

頬を染めて 小雪

憧れと現実の世界に こゆき ( 小雪 ) と言う女がいる

サブちゃんの北島事務所に女性歌手山口ひろみがいる

派手やかな歌手ではないが玄人受けをする実力派。

彼女の♪ その名はこゆき を聴くと若い頃のある娘を思い出す

派手さはないが男に無頓着な風情の乙女だった。

因みに作曲の原譲二は山口ひろみの師匠でもある北島三郎サブちゃんのペンネームである。

彼女は税理事務所の事務員さんで従兄弟の船舶会社の経理を担当していた。

事務所へ顔を出すと月に何度か帳簿を見に来る彼女と出逢った、

女性にモテない無骨な男に彼女の視線が向くことはなかった。

不思議な女性だった、男に興味のない女等いるものか ?

私のモテなさを棚に上げて妙に気になる女性だった。

それから数年後私が経営する喫茶店にその乙女がやって

来た、女友達と一緒だった、

数回来た後に彼女はひとりである要件を携えて私を訪ねて来たのである。

「・・・ちゃんと付き合ってあげて   !」

友達に仲立ちを頼まれて来たのである。

私は冗談を交えて・・・

「本当はあなたの事が気になっていたんだよ  ?」

それを聞いた彼女は頬を赤らめて俯いた。

彼女も普通の乙女だと気がついたのである。

ところが思いもかけない事実が判明する、彼女の父は地元では有名な会社の重役、

兄嫁に至っては私と遠縁に当たる女性だと判明する。

私は彼女に悟られないように身を引く事にした。

あれから数十年ご主人を亡くした彼女は娘とこの県都で余生を送っている、兄嫁と私の関係はその頃に知ったようである。

山口ひろみの  ♪  その名はこゆき   を聴くと

頬を染めて俯いた小雪ちゃんの純情が浮かんで来る。

そう言えば、二人に共通する表情がある、

山口ひろみに姿を変えてあの小雪が逢いに来てくれている

のかも知れない、

「意気地なし !」 の言葉を添えて・・・?

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