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雑談

音楽教室のぼく 童謡・唱歌 おんなのせんせい

あの日、女の先生はピアノで旅愁を弾いてくれた、
童謡・唱歌が遠くなって久しい・・・
今、学校で音楽の時間で私達が習った唱歌・童謡は歌われていますか?

先生のキ-を打つ手が白くしなやかに躍動していた、
従兄弟が得意のハ-モニカをみんなの前で吹いた、ただ唯一の自慢、
女の先生からの指名を受けて父のいない淋しい家庭の従兄弟は顔を赤くして
いっしょうけんめい吹いた。

校舎の窓からみかんの花の匂いが匂ってきた、
みんなが育てる花壇の花が赤、青、黄色、そして橙色ときれいに咲いていた。

海辺に在るM小学校は潮の香が鼻の奥まで染み込んできた。
タ-ザンごっこした土手の松が雄雄しく立ちふさがっていた、
学びの校舎よ、故郷の景色よ、忘れはしない ! 

「 〇年竹組み Sくん ! 前に出て、唄えますか ?」
一瞬 ! 胸がどきどきした僕は声がうわずっていました・・・

「ハイ ! がんばって唄います ・・・」 
先生のピアノが鳴り出した、ハ-モニカを吹き終わった従兄弟が、覗き込んで
「がんばれ !」と声にならない声で励ましてくれた。

あの日の音楽教室と、潮の香り みんなの目がやさしかった、「がんばれよ !」

旅愁 童謡 唱歌

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